岩手医科大学医学部のオープン・リサーチ・センター整備事業は,文部科学省の「私立大学学術研究高度化推進事業」の選定プロジェクトです.本事業は,私立大学の大学院研究科,研究所において,多様な人材を受け入れ,研究と併せて若手研究者や高度専門職業人などの人材養成を推進し,私立大学における研究基盤を強化することを目的とした補助事業です.平成16年度から21年度までの5年間に計5億1千万の経費をかけて,生活習慣病・悪性新生物を中心とした老年疾患克服に向けた,高度先進医療の開発とそれに関わる人材の育成を目的としています.
遺伝子操作技術や生命科学の急速な進歩に加えて,インターネットを駆使した情報科学戦略の発達により,新しい診断・治療法が次々に生み出されています.しかし,最新の遺伝子診断・治療や新規薬剤の開発・導入は,ともすれば中央偏重傾向にあり,岩手県民が最先端の高度先進医療を享受できているとは言い難い状況にあります.本プロジェクトは,岩手医科大学に最先端の画像診断技術,細胞療法や再生医療,新規抗癌剤の開発につながる施設・設備の拡充と,それを実践するための人材輩出の礎にならんとしています.プロジェクトが始まって既に一年が経過していますが,各個の研究はまだは始まったばかりです.多額の競争的研究資金を得て推進されるプロジェクトであり,失敗は許されません.中間評価,最終報告までの道のりをしっかりと見据えて,さらなる研究のスピードアップを計る所存です.
2005年
岩手医科大学オープンリサーチプロジェクト代表
藤岡 知昭
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