先端医療研究センター(オープン)

平成17年度 第1回プロジェクト推進委員会 議事録

 

日 時:平成17411日(月) 午後6時〜710

場 所:記念館10階 同窓会室

 

出席者

藤岡知昭、中村眞一、増田友之、久保田美子、高浪タカ子、吉野直人、前沢千早、板井一好、中屋敷徳、滝川康裕、中村元行、佐藤衛、柏葉匡寛、小笠原邦昭、吉田研二、久保慶高、石島健、中賢司、菅井有、佐藤譲、鈴木啓二朗、小宅達郎、小浜恵子、黒瀬奈緒子、吉田課長、澤田

欠席者

堀内三郎、近藤ゆき子、別府高明、泉本浩史、利部正裕、高橋和宏、近田龍一郎、友信、石田陽治、金子能人、幅野渉

 

議題: 

1.前回議事録の確認(増田教授)

 

2.年間日程の確認(増田教授)

 第二月曜日(祝日の場合は第三月曜日)、午後6時から記念館同窓会室にて開催

 

3.オープンリサーチセンター採用PDの紹介

 黒瀬奈緒子氏、小浜恵子氏の紹介(永田由紀氏は欠席)

 

4.プロジェクト進捗状況の報告

 今回はプロジェクトTの推進委員から昨年度までの研究成果と本年度研究計画についての報告があった。

 

プロジェクトT

老年疾患の遺伝子要因と環境要因の交絡に関する疫学研究

 

@消化管腫瘍における単一腺管の分子レベルの解析(臨牀病理 中村)

昨年度の研究成果:発表論文10編、投稿中論文1編、準備中論文2

今年度の研究計画:胃・大腸癌及び周囲の腸上皮化生粘膜を構成する単一分離腫瘍腺管と腸上皮化生腺管の分子異常を遺伝子レベルで解析する予定。

 

A代謝症候群および動脈硬化症における炎症性サイトカイン遺伝子の役割の解析(糖尿病代謝内科 佐藤)

昨年度の研究成果:なし

現在プロジェクトの体制作り中。研究に関して倫理委員会に答申中。

今年度の研究計画:代謝症候群および動脈硬化症における炎症性サイトカイン、特にTNF-αの遺伝子多形性との関連を検討する。

 

Bカルボニル化タンパクを指標とした個体老化の研究(法医学 青木)

欠席

 

C動脈硬化関連遺伝子と薬剤代謝を調べるDNAアレイの基礎開発と臨床応用

昨年度の研究成果:発表論文1編、投稿中論文1編。

今年度の研究計画:動脈硬化に関連すると考えられる遺伝子のSNPs解析を行う。

CYP2C9*2および CYP2C9*3 SNPsを抗凝固療法施行例および日本人とイスラエル人とで解析する。

ナトリウムチャンネル(SCN5A)およびカリウムチャンネル(HERGチャンネル)の異常を検索して、SNPと薬剤誘発QT延長の関連を調べる。今年度、心磁計で薬剤誘発QT延長を評価して、SNPの意義を検証する。

 

D骨粗鬆症における微量元素の解析研究(衛生学公衆衛生学 板井)

昨年度の研究成果:発表論文1編。

今年度の研究計画:現在までに骨粗鬆症患者の治療前50例の検討を終え、治療により各種マーカーが変化どのように変化するのか検討する。また骨密度の測定部位(海綿骨と骨皮質)の違いによる検討を行う予定。また人工透析患者における骨密度と各種マーカーとの関連も検討する予定。

 

EXRCC1遺伝子多型とDNA修復能(生化学 久保田)

昨年度の研究成果:発表論文2編、投稿中論文2編、準備中論文2編。

今年度の研究計画:XRCC1蛋白質と相互作用する蛋白質の探索(Two-Hybrit法を用いて)、XRCC1蛋白質の核内における局在の検討、XRCC1SNPsによる機能の違いについて検討を行う予定。

ガンにおけるXRCC1 SNPsとの関連、塩基除去・修復に関連する蛋白質と老年疾患との関連を検討する予定。

 

F老人性難聴に関連するミトコンドリア遺伝子多型の検索(耳鼻咽喉科 佐藤)

欠席

 

G循環器疾患での自然免疫応答に関する分子生物学的研究(第二内科 佐藤)

昨年度の研究成果:投稿中論文3

今年度の研究計画:急性冠症候群の冠動脈プラークでのToll様受容体(TLR)の遺伝子と蛋白質の発現、TLRシグナルによる炎症性サイトカインの産生の網羅的解析し、上記の結果と臨床指標との比較検討する予定。

拡張型心筋症でのTLRファミリーの遺伝子発現と蛋白産生能とTLRシグナルによる炎症性サイトカイン誘導能の網羅的解析し、In vitroモデルでの様々な薬剤がTLRシグナルへ及ぼす影響を検討する予定。

 

H循環器疾患のコホ−ト研究:効率的スクリ−ニング法の開発(第二内科 中村)

昨年度の研究成果:投稿中論文2編、準備中論文1

今年度の研究予定:糖尿病・動脈硬化性疾患を対象とする前向きコホート研究において、自然免疫応答関連遺伝子の遺伝子多型およびそれらの蛋白質の発現の網羅的解析を行い、糖尿病および動脈硬化性疾患の発症のメカニズムを探求する。さらに、生活習慣病の発症と他の交絡因子(血圧やほかの古典的リスク因子、環境因子など)との関連について考案する。

 

I劇症肝炎の発症機序ならびに治療法に関する研究(第一内科 滝川)

昨年度の研究成果:投稿中論文1編、準備中論文2

今年度の研究計画:疫学調査から導き出された、急性肝炎から激症肝炎化への予知式を作成し、それを用いたProspective Studyを予定している。

人工肝臓を用いた新たな血漿浄化療法の開発のための基礎的研究を行う。

肝細胞保護療法の検討として、プロスタグランジンの有効性を検討する。

 

J前癌病変における細胞/組織分化に関わるエピジェネティックな遺伝子制御機構の解除(第一病理 前沢)

昨年度の研究成果:発表論文4編、投稿中論文2

今年度の研究計画:食道扁平上皮癌とその背景粘膜におけるepigeneticな遺伝子変化を解析中。

maspin inducible clone, adenovirus vector, RNAi knockdown系を製作中。

p63遺伝子の発現とmaspinの発現制御にかかわる転写活性を検討中。