先端医療研究センター(オープン)

平成18年度 第1回プロジェクト推進委員会 議事録

 

日 時:平成18410日(月) 午後6時〜725

場 所:記念館10階 同窓会室

 

出席者

藤岡知昭、増田友之、久保田美子、吉野直人、近藤ゆき子、前沢千早、青木康博、中屋敷徳、熊谷章子、滝川康裕、佐藤 衛、小笠原 聡、小笠原邦昭、吉田研二、石島 健、馬場俊右(代理)、近田龍一郎、小原 航、工藤大輔、中賢司、菅井 有、金子能人、幅野 渉、鈴木啓二朗、永田有希、高橋 正、吉田、澤田

欠席者

中村眞一、堀内三郎、高浪タカ子、平 英一、板井一好、中村元行、別府高明、久保慶高、金 一、利部正裕、高橋和宏、友安 信、石田陽治、小宅達郎、佐藤 譲

 

審議事項:            

1.前回議事録の確認

増田教授から前回議事録の報告があった。

 

2.予算配分について

@機器購入希望調査を3月に行ったところ、自動染色装置が4講座共同で申請があった(承認)。

A各講座への予算分配は3月の委員会の議案通りに承認された。

 

3.委員会会場の整備・整頓について

その回に行われる研究発表を担当する講座の委員が持ち回りで行うことになった。

 

4.プロジェクトUの進捗状況

@第二病理 

投稿中2編、改定中3

 

A脳外科学
本年2月からのaccept4編、投稿中2編。研究はさらに継続中。

 

BORC

投稿中1

これまで検討してきたdeoxycytidine kinase5’-nucleotidase以外のAra-C代謝酵素をクローニング中。

 

C泌尿器科

投稿中1

Bioplexを使用してCytokineの測定中。

FACSを使用して腎癌患者末梢血のIFN治療後のCD4/CED8Th1/TH2変化を検討中。

 

D産婦人科

準備中1

切迫早産患者におけるCytokineの変動をBioplexを用いて検討している。

スクリーニング後、関連すると思われる幾つかのCytokineをさらに検討している。

 

E細菌学

掲載1

1)リンゴポリフェノール併用でのコレラ毒素無毒化粘膜アジュバントに関する研究
   2月中に昨年度の研究費を使い切り、新年度の研究費交付まで新たな実験は出来ない。

2)カハール介在細胞と腸管免疫に関する研究
2
月中に昨年度の研究費を使い切り、新年度の研究費交付まで新たな実験は出来ない。

3)非複製型ワクシニアウイルスベクターによる経鼻免疫に関する研究
投稿直前の状態にあったが、米国NIHよりワクシニアウイルスの経鼻免疫での脳への
安全性の確認が必要との指摘があり、現在国立感染症研究所において野生型ワクシニ
アウイルスとベクターとして使用している非複製型ワクシニアウイルスを用いて経鼻
接種でのウイルスの脳への移行を確認中である。

 

F皮膚科

代理出席

 

5.研究発表

@法医学 「カルボニル化タンパクを指標とした個体老化の研究」 

   酸化修飾タンパクのマーカーであるカルボニル化タンパクを、カルボニル基と2,4−ジニトロフェニルヒドラジン(DNPH)を反応させることにより形成される。ジニトロフェニルヒドラゾンを抗DNP抗体を用いて検出する方法で、ヒト体液中の水溶性タンパク質におけるカルボニル化タンパクの存在を明らかにし、年齢に伴う量的変化について分析している。 

試料

 ヒト健康成人の血清

   剖検例からの硝子体液 

 

方法

   試料にDNPHを加えヒドラゾンを形成させ、SDS-PAGEで分離した。硝子体液に関しては2次元電気泳動も行なった。1つのサンプルに対して2枚のゲルで電気泳動を行い、 1枚はクマシー染色または銀染色、もう1枚はウェスタンブロッティングを行ってPVDF膜上にタンパクを転写した。カルボニル化タンパクの検出は,抗DNP抗体を反応させ、HRP標識2次抗体を反応させてから、ECL法でバンドを検出した。 

結果

 血清では男女とも50歳以上のサンプルにおいてカルボニル化タンパクの存在が明らかであり、特に分子量20~30kDaをもつタンパクに加齢に伴う増加傾向がみられた。

 硝子体液では男女とも40歳以上のサンプルにおいてカルボニル化タンパクが著明に出現しており、2次元電気泳動後のECL像では、分子量100kDa前後で弱酸性〜弱アルカリ性にわたる広い領域にややスメア状の強い発色、そして1525kDaの低分子量領域にいくつかの発色スポットが観察された。年代別の比較では,1020歳代の発色状態に比べ、6080歳代の発色領域は広範囲にわたり発色面積の増加傾向がみられた。 

今後の計画

1.カルボニル化タンパクの検出・同定のデータを蓄積し、加齢に伴う量的変化を明らかに

する。

2.加齢とともに増加するカルボニル化タンパクを特定する。

3.カルボニル化を指標とした法医学的年齢推定への応用を検討する。

 

A第二病理

1.癌細胞におけるEpigenetic Change

SERPIN5であるMaspinの検討

2.テロメア・テロメレースの標的治療

3.肝硬変における分子治療の検討

4.肝細胞分化におけるmiRNAprofiling