先端医療研究センター(オープン)
平成18年度 第2回プロジェクト推進委員会 議事録
日 時:平成18年5月8日(月) 午後6時〜7時15分
場 所:記念館10階 同窓会室
出席者
増田友之、久保田美子、高浪タカ子、吉野直人、前沢千早、中屋敷徳、滝川康裕、佐藤 衛、柏葉匡寛、小笠原 聡、小笠原邦昭、金 一、石島 健、近田龍一郎、小原 航、中居賢司、佐藤 譲、金子能人、鈴木啓二朗、永田有希、高橋 正、吉田、澤田
欠席者
藤岡知昭、中村眞一、堀内三郎、平 英一、近藤ゆき子、板井一好、中村元行、別府高明、吉田研二、久保慶高、利部正裕、高橋和宏、菅井 有、友安 信、石田陽治、小宅達郎、幅野 渉
審議事項:
1. 前回議事録の確認
2. 中間評価および成果報告会について
@ 本年度は中間評価にあたり、研究進捗状況の報告を9月に提出となっている(資料1)。
それに向け、報告書ならびに事業報告書の作成を行う。
A 成果報告会はハイテクリサーチと共同で行う案について(資料2)。
7月26日予定。
各プロジェクト代表者による成果報告。
各プロジェクト推進委員によるポスター発表。
詳細は次回委員会で提示する。
3. プロジェクトIの進捗状況
@臨床病理 欠席
A糖尿病代謝内科
TNF-αの遺伝子多型と動脈硬化危険因子との関係、及び2型糖尿病の細小血管障害・大血管障害との間連を検討中。
現在130名程の2型糖尿病患者から遺伝子多型を解析中。
857多型と1031多型においてVLDL、尿酸、尿中CPR等と有意差を認めている。
あと40例ほどの症例追加を行い、さらに、内服症例を除外しての検討を行う予定。
B法医学
酸化修飾タンパクのマーカーであるカルボニル化タンパクの年齢に伴う量的変化について分析している.試料は剖検例からの硝子体液が順調に収集されている.前回の研究報告の際に先生方からご指摘のあったことに関しても含め,今までの方法を若干検討しなおして明確な結果を出すために実験続行中.
C臨床検査
論文 投稿2編
1) 老年者の頚動脈硬化関連1塩基多型(SNPs)の検索
Lipa法を用いて頚動脈硬化症で8
SNPsについて解析を終了した。
4月に解析結果を纏めて投稿(脳外科との共同研究)。新たに、3 SNPsの解析を予定。
2) 老年疾患の薬剤代謝関連SNPsの探索と個別化医療導入のための臨床評価
ワーファリン感受性関連SNPであるVKORC1の解析法を確立した。
ワーファリン服用例でCYP2C9とあわせて解析中である。
3) BioPlexでのサイトカインの測定の予備実験を施行した。
今期、頚動脈硬化症術後4週間後のサイトカイン測定を予定。
(脳外科との共同研究)。
4)抗がん剤(MVAC療法)での傷害心筋と成因の評価。
MVAC療法での傷害心筋の評価とMTHFR多型の意義の検討予定。
(泌尿器科との共同研究)。
D公衆衛生 欠席
E生化学
論文 Publish1編
XRCC1の核内局在と機能についての解析
XRCC1の介在蛋白質についての解析
以上についての解析を継続中
F耳鼻咽喉科
老人性難聴とミトコンドリアSNPsについての解析を進めている。
現在、症例とコントロールの蓄積も進み、それぞれについてのシーケンスを継続している。
G第二内科
心不全症例抹消循環内皮細胞の培養を行っている。
これらの細胞のテロメアが短い傾向があることを見出した。
H第二病理
インスリン抵抗性に関するSNPs解析、血中AdipocytokineのBioPlexによる解析を行っている。
境界性人格障害症例におけるインスリン抵抗性関連遺伝子のSNPs解析
血管増殖性因子とmicroRAN Osteocyte Cell Lineでの検討
4. 研究発表
@第一内科 (滝川康裕)
生物学的人工肝臓を用いた劇症肝炎血漿浄化療法の基礎的研究:ラジアルフローバイオリアクターを用いた生物学的人工肝臓により劇症肝炎の血漿を浄化する実験を開始し、アンモニア処理、ビリルビン処理、尿素合成が認められたが、肝細胞特異的な遺伝子発現がまだ捕まえられていない状況。
新しいDrug-deliveryシステムによる肝障害治療の基礎的研究:ガラクトース結合リポソームにロダミンを包埋し肝細胞特異的取り込みを共焦点レーザー顕微鏡で確認。グルタチオンを包埋したリポソームでのアセトアミノフェン肝障害モデルin vivo治療実験に移る予定。
A第一外科(柏葉匡寛)
ヒト腎癌細胞株MUC-1における抗腫瘍ペプチドの同定
HLA-A2拘束性ペプチドの有用性をSCIDマウスで検討
マウス皮下にヒトMUC1陽性腎癌細胞を摂取、腫瘤形成を認めた後、同peptideにて誘導されたヒト抗MUC-1 cytotoxic T lymphocyte(CTL) balky cloneを尾静脈から投与し、その抗腫瘍効果を検討
少数例の検討であったが、MUC1 peptideで誘導されたCTLで治療された群は腫瘍増大が軽度抑制され、生存期間では有意に延長がみられた。