先端医療研究センター(オープン)
平成18年度 第3回プロジェクト推進委員会 議事録
日 時:平成18年6月12日(月) 午後6時〜7時30分
場 所:記念館10階 同窓会室
出席者
増田友之、久保田美子、高浪タカ子、吉野直人、近藤ゆき子、前沢千早、板井一好、中屋敷徳、滝川康裕、中村元行、佐藤 衛、小笠原 聡、小笠原邦昭、金 一、石島 健、近田龍一郎、中居賢司、菅井 有、金子能人、幅野 渉、鈴木啓二朗、永田有希、戸所かずお、吉田、澤田
欠席者
藤岡知昭、中村眞一、堀内三郎、平 英一、別府高明、吉田研二、久保慶高、利部正裕、高橋和宏、友安 信、石田陽治、小宅達郎、佐藤 譲、高橋 正
審議事項:
1. 前回議事録の確認
2.研究成果報告会の実施について
@ 中間評価を迎え、学内外に向けた成果報告会を開催(資料1)。
A 日時:7月26日(水)15時頃から
場所:60周年記念館
発表形式:ポスター発表
各プロジェクト推進委員が行う
800字程度の抄録を7月3日までに研究助成課に提出
3.探索的医療に関する講演会の開催について
@ 日時:8月19日 場所:未定
A 講師
京都大学探索的医療センター
検証部:福島教授
開発部:清水教授
臨床部:横出教授
医療開発管理部:樋口教授
4.PD候補について
清水氏の推薦があり、次回委員会でプレゼンテーションを行っていただくことになった。
5.先端医療センター運営委員会の報告(資料3)について
@ センター長:小川医学部長
探索的医療研究施設の総括責任者:増田教授、取扱責任者:前沢助教授
A 決算についての報告
B 活動内容についての報告
6.プロジェクトUの研究進捗状況
@ 第二病理
論文1編受理
悪性腫瘍におけるmicroRNAの解析、特にAngiogenesisに関連しているものを解析中。
A 脳外科
4月からの新たなaccept:2編
新たな投稿:4編
B ORC
Cytarabine代謝関連酵素のReal-time PCR測定系の確立を行っている。
またAMLに関してはWT-1との関連を検討する予定。
C 泌尿器科
HIF-2のsignal transductionに関する役割を検討中。
D 産婦人科 欠席
E 細菌学 欠席
F 皮膚科 欠席
G 第一外科
MUC-1・WT-1ペプチドワクチンの基礎的検討。
6.研究発表
@ 第二内科(佐藤 衛)
AMI患者におけるToll like receptor(TLR)-4の検討。
TLR-4のligandと考えられるHSP70の検討。
in vitroにおいてもHSP70によりAMI患者単球におけるTRL-4とIL-6の上昇が認められる。
PMA刺激心不全患者単球におけTACEとTNF-αの上昇。重症CHF例でより上昇する。
EpleneroneによりTACEとTNF-αのmRNA発現は低下する。
循環血管内皮細胞におけるテロメア解析(FCM-FISH法)。
A 脳外科(小笠原邦昭)
頸動脈内膜剥離術後過灌流の発生メカニズムと神経組織に与える影響の解明。
術後過灌流は術前脳循環低下症例に多く発生した。術前脳循環正常症例では1例も術後過灌流は出現しなかった。
頸動脈遮断中に重度の虚血を呈した約半数例に術後過灌流が出現した。
頸動脈遮断中に重度の虚血を呈さなかった例で術後過灌流を呈したのは1例であった。
多変量解析では術前の脳循環低下と頸動脈遮断中の重度脳虚血が術後過灌流発生の有意な独立因子であった。
脳内のフリーラジカル反応の指標である頸静脈球部MDA-LDL濃度は、内頸動脈遮断前に比し内頸動脈遮断解放後5分および20分で有意に高い値を示した。
遮断中の脳虚血重症度と遮断解放後の頸静脈球部MDA-LDL濃度は高い正の相関を示した。遮断解放後の頸静脈球部MDA-LDL濃度は術後高次脳機能障害発生の有意な独立因子であった。
さらに、術後高次脳機能障害例はMRIでは形態的に異常はなかったが、PETによる脳酸素代謝は明らかに低下していた。
頸部頸動脈内膜剥離術後過灌流の発生に術前慢性脳虚血とともに術中急性虚血が関与している。
頸部頸動脈内膜剥離術中の内頸動脈遮断により脳虚血が強ければ強いほど脳内にフリーラジカル反応が強く起こる。この脳内フリーラジカル反応は術後高次脳機能の出現に関与している。